裁判傍聴のススメ

裁判傍聴のススメ

裁判傍聴に行った事のない人は多いと思います。

「人の不幸を覗き見って、なんか悪シュミ」

「犯罪を扱う所でしょ?なんか怖い」

と、敬遠する人も多いと思う。

でも、マジで勉強になる。

裁判傍聴行ってた頃の事を思い出したんで、ちょいと語らせて。

観てきた案件をザックリ紹介。

薬物系。

高校生、大学生、それらのお子さんを持つ親御さん。

一度観に行った方がいい。

「あー、やってそうだよね」って感じの人もいるけど、本当に普っ通ぅーーの大学生のお兄ちゃんがいたりする。

「薬やりそうな人だからやる」と言う感覚から

「極々普通の人が、運悪く入手するキッカケがあった為にやった」と言う感覚を持った。

薬物なんて自分には関係ないと思っていた。

もしかすると身の回りにはキッカケなんていくらでもあるのでは?と考えさせてくれた案件。

 

窃盗。

窃盗と言っても色々ある。

下着ドロなんかもモチロン窃盗。

公開処刑の一言。

大勢の人の前で性癖の説明をする事になる。

笑い話になりがちだけど、被害者のダメージも分かったりする。

その家に住むのが怖くなり、引っ越しをする羽目になった被害者の話も聞いた。

少しでもそう言った趣向がある人に観てもらい、抑止力にして欲しい。

性癖や趣向は変えられないと思う。

けど、万が一にも魔が刺さない様に、その行為からの被害者に与える影響を考えるキッカケにして欲しい。

 

車の事故系。

幼い子供が被害に会い亡くなった。

しかも飲酒運動だった案件を観た事がある。

悲惨の一言に尽きる。

検察側の証人で、被害者のお母さんが証言台に立った。

気丈に振る舞うお母さんの口から出た「(被告人からの)手紙には反省の意が書かれていましたが、どうせ反省なんてしていないのでしょう…」の言葉には、室内に深い溜息が聞こえた。

免許更新の教材ビデオなんかよりも、よっぽど抑止力になる案件だった。

 

詐欺。

悪い人に利用され、詐欺だと知らずに犯罪に手を染めてしまった人の案件を観た。

その被告人はかなりの高齢者。

検察側の質問に対して「なんでそんな事聞くんだろう?」と、いった雰囲気で、「すみません」の謝罪が多かった。

悪い事をしたのは分かっているが、どの行為が犯罪に当たる行為なのか分かっていない様子だった。

無知である事に危機感を覚えさせてくれる案件だった。

 

と、考えさせられる案件は多い。

僕が行っていた裁判所には、裁判傍聴ガチ勢がいた。

ノートを持ち込み、メモを取りながら傍聴。

喫煙所でガチ勢仲間と「あの案件はこーだから執行猶予付くだろうね」とか話してた。

どこの裁判所にも似たようなガチ勢はいるだろうし、話を聞いてみるのも良いと思う。

実際に傍聴して分かった事。

執行猶予ってなんぞ?

僕も知らなかったし、知らない人も多いと思う。

「懲役3年、執行猶予5年」という判決が出たします。

執行猶予は初犯だったり、比較的軽い罪状だったりに付く事が多いです。

この判決が出た場合、とりあえずは刑務所には入りません。

今まで通り(に出来るかは分かりませんが)に生活する事になります。

そのまま執行猶予の5年間を犯罪を犯さずにいれば、出された懲役3年という判決はチャラになります。

執行猶予の5年の間に何か犯罪を犯した場合、新たに犯した犯罪の懲役に懲役3年が加算されます。

新たな判決には執行猶予が付かず、問答無用で刑務所に送られます。

これが執行猶予です。

 

検察側と弁護士側はバチバチしていない。

ドラマ、アニメ、漫画、ゲームなどでは、検事さんと弁護士さんがバチバチバトルって感じのイメージですが、そんな事はない。(裏では知らんけど)

双方とも「あー、今日は宜しくお願いしますねー」って感じ。

そういうの求めて観に行くと、ガッカリするかも。

あと、毎回審議の終わりに「裁判長、検事、弁護士」さんが、その場で次の日程を決める。

「〇〇日の14時はどうです?」

「あー、私別の案件入ってます」

「じゃあ16時は?」

「そこなら行けるッス」

飲み会の日程決めみたいで面白い。

たまに、3者の都合が中々合わず、これが飲み会の日程決めなら「あ〝ぁーーー!!もう今回は無し!!次の機会で!!」ってなるのだけど、そうはいかない。

頭を抱える3者の姿が、少し可愛く見えるw

裁判傍聴の流れ。

まず、裁判所に着いたら、コロナ対策の検温やらがあるでしょう。

そうしたら、その日の日程表が貼ってある掲示板を探して下さい。入り口付近にあると思います。

日程表は民事裁判と刑事裁判に分かれています。

僕が観てきたのは刑事裁判です。

「窃盗罪 第二審 15:30〜 502号室」みたいに書いてあります。

「窃盗罪の案件の 二回目の裁判(裁判は日を跨いで複数回行われます)が 午後3時30から 502号室で始まります」という意味です。

観たい案件の部屋前の廊下で待ちます。

前の裁判が終わってなければ、「審議中」ってプレートが出てると思います。

大体、5分前位には入室出来ます。

ドアに覗き窓があるので様子を見たり、他にも傍聴したい人が並んでたりするので、その流れに乗れば良いと思います。

入室したら席に座って待つ。

席は自由席ですが、もしかしたらコロナ対策で座れない席があるかもです。

裁判長さんが入室したら、起立からの礼があります。

号令がある訳じゃないので、周りに合わせたら大丈夫です。

審議が始まるので、黙々と傍聴して下さい。

審議が終わったら、起立からの礼で終わり。

退室して、次の案件まで時間を潰しましょう。

こんな流れです。

注意点

裁判所は所謂お役所なので、土日祝日はやってません。

他にもお盆やら年末年始年始も同様です。

長期休暇の前は裁判の案件が少ないので、避けた方がベターかも。(確認した訳じゃないので、間違っていたらごめんなさい)

 

スマホの電源は切りましょう。

撮影、録音の類いも禁止です。

あくまで「裁判を傍聴させてもらう」立場です。

審議の滞りになる事は避けましょう。

途中退室は可能です。

自分が興味無かったり、トイレに行きたくなったら、静かに退室しましょう。

スムーズに退室出来る様に、端の席に座るのがベターだと思います。

途中入室も出来た気がしますが、審議の邪魔になる可能性があるので、避けるのが無難だと思います。(もしかしたら、途中入室はダメだったかも知れません)

 

派手な服装は避けましょう。

被告人や証人への刺激を避ける為、原色だったり派手な服装は避けて、地味目な服装が良いと思います。

まぁ、スウェットとサンダルで観に来るオッサンもいるので、過度に心配する事もないですが。

後は、傍聴席に着いたら、帽子を取った方が無難ですね。

 

注意点はこんな所ですかね。

被害者にならない様に、加害者にならない様に。

審議が行われている裁判側の席と傍聴席の間には、柵が設置してあります。

跨ごうと思えば跨いで渡れる高さです。

僕は今、傍聴席側に座る立場です。

しかし、裁判の傍聴をしてみると、「もしかしたら向こう側に立ってしまう事があるかも」と思わせられます。

犯罪だけでなく、事故の加害者になるかも知れない。

被害者側の証人として、証言台に立つかもしれない。

裁判側の席の立場と傍聴席側の立場。

裁判側の席と傍聴席の間の柵の様に、いつでも跨いで渡れてしまう高さである様に感じます。

そうならない為に、情報を集めて勉強する事は有効だと思います。

裁判傍聴をすれば、何かを感じると思います。

何も感じなかったとしても、感じなかった事を知るのにも意味があると思います。

交通費のみで勉強出来る場所です。

僕は、裁判傍聴をおススメします。

2 COMMENTS

エキノ

私も行った事は無いのですが興味があって北尾トロ氏の本持ってました
色んな人間模様あるんですねぇ

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titta31@

北尾トロさん知りませんでした。
少し調べたんですが、面白そうですね。
読んでみようかな。
ありがとうございます!!

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