最近ワタクシ、職場のパイセンと揉めまして(揉めてる最中?)。
僕は今の職場で「5人組の班」で働いています。
パイセンは、その5人のうちのひとりです。
パイセン「ホントお前は人情ってモンがねえな。」
そう言われてしまいましたねw
僕には言い分がありますし、モチロン相手方にも言い分があります。
僕には譲れない想いがありますし、モチロン相手方にも譲れない想いがあります。
僕とパイセンは、その辺が噛み合わず、譲れず、妥協出来なかった為に揉めごとに発展しました。
今回の揉めごとを紐解いていくと、人にはそれぞれ「信じるモノ」があると思い知らされます。
そして「信じるモノが両極端なふたり」というのは、中々に厄介なモノだと思い知らされました。
目次
「ルールは守るべき」と「ルールは破るべき」。
まず初めに、僕は「ルールは守るべき」派の人間です。
「理由があるからこそのルールなんだ。」
「ルールに疑問があるのなら、破る前に改正の提案なりをするのが道理だ。」
これらの考えが僕の中に根付いています。
まだまだ他にも理由がありますが、僕は「ルールは守るべき」派の人間です。
そして、今回僕と揉めたパイセンは「ルールは破るべき」派の人間です。
私生活のことまでは知りませんが、僕の見る限りでは「会社のルール」を守っている部分の方が珍しいですね。
根本的に「ルールを守る」という意識が薄い人だと感じます。
後述しますが、ハッキリと「ルールは破るべき。」と言い放つ人なんですよね。
そんなふたりが揉めた訳です。
この「それぞれの信じるモノの違い」が、今回の揉めごとに繋がりました。
事の発端。
事の発端は、この「ルールは破るべき派のパイセン」の、いつも通りのルール無視での勤務態度が職場内で問題になったトコロから始まります。
説明が難しいので詳しくは説明しませんが、パイセンのルール無視な作業が、僕達の上司よりももっと偉い人に見つかってしまった訳です。
僕は今、そこそこ大きな工場に派遣されて仕事をしています。
「全ての工場が。」とは言いませんが、大きな工場になってくると、従業員の事故や怪我は大きな問題になります。
例えば、僕が勤める工場ではフォークリフトでの作業が割と当たり前です。
フォークリフトを壁に擦ってしまっただけでも、(本来なら)報告し、偉い人達が会議で原因の究明なんかで話し合い、同じ事故が起きない様に従業員におフレが出されます。
誰も怪我をしていない。
フォークリフトや壁が少し削れた程度の事故。
これっぽっちのことでも、何人もの人間が召集され、現場検証やら会議やらで大騒ぎです。
その会議の中で真っ先に焦点が当たるのが「事故を起こした従業員が、ルールを守って作業していたかどうか。」です。
「事故が起きない様にする為のルールだろうがゴルァ!」という事ですね。
つまり、「ルールを守らない従業員」というのは、会社の偉い人達が頭を抱える悩みのタネになる訳です。
因みに、「ルールを守った上での事故」が発生した場合、新しいルールが作られ、それはそれで面倒になります。
今回のパイセンの件では、事故こそ起こさなかったモノの、「事故を起こさない為のルールを完全に無視したパイセン」に、偉い人は大層オコになられました。
そして、当事者であるパイセンは、事の重大性を理解していない様子です。
パイセンは謝罪の言葉を口にしたモノの「事故が起きてないのにゴチャゴチャ抜かすな!」という姿勢な様です。(陰ではガッツリ言ってましたねw)
こういう姿勢って、相手に伝わっちゃうんだと思います。
僕から見ても「飲酒運転で捕まった人がゴネている感じ」に見えました。
パイセンの違反を目撃した偉い人からすれば、火に油を注がれた様なモンです。
反省の姿勢が見えないパイセンに対して、偉い人達が行動を起こします。
聞き取り調査。
このパイセンは、工場内で良くも悪くも有名人です。
勤続40年超えの爺ちゃんなのですが、話好きな事もあり、工場内での知り合いも多いのです。
そして、このパイセンの「ルールを守る気がない姿勢」というのも知れ渡っています。
僕が働く工場には「環境安全課」という謎の組織があります。
工場内で事故が起こらない様にアレコレする組織ですね。
この「環境安全課」が僕の所属する課、及び僕の班の人間に聞き取り調査を実施しました。
聞き取り調査の内容は、荒く言えば「パイセンは普段から同じ様なルール違反してますか?」てな事を僕を含めた従業員から聞き出すって感じです。
個別に呼び出され、面談がされました。
めんどくせえ。
環境安全課の人間も、このパイセンがルールを守っていない事なんかわかりきっているんです。
要は、目撃証言を取って、パイセンをコントロールするなり叩きたいんでしょう。
めんどくせえ。
この聞き取り調査は、当然、仕事中に行われました。
ですが、仕事は待ってはくれません。
現場の人間は「こんな事」に時間を取られたくないんですよね。
「こんな事に取られる時間」を使って、自分たちのペースで仕事を進めたいんですよ。
僕はイラついていました。
僕がイラついた理由。
僕がイラついた理由は、「パイセンがルール違反をした目的」に繋がります。
今回のパイセンのルール違反について、もう少しだけ説明しますと、「フォークリフトの侵入を禁じられたエリアにフォークリフトで侵入した。」というものです。
そして、このルール違反による利得は、僕達の班には皆無です。
このルール違反によって、作業が効率的に進む訳でもなく、めんど臭さや煩わしさが解消される訳でもなく、誰かが大きく得をする訳じゃありません。
パイセンのただのお節介です。
パイセンがこのルール違反をすると、Aさんという人の2〜3分の作業時間短縮に繋がるだけです。
パイセンは日頃から、「ルール違反である事を承知の上で」このルール違反をしていました。
パイセンとAさんの間にどんな密約があったのかは知りませんが、当然、今回の件でAさんにも被害が行きました。(断らなかった罪みたいな。)
Aさんも大ベテランであり、ルールの事は知っていたはずです。
ルール違反がバレた時のリスクと、バレずに続ける事のメリットが見合わない事は想像出来ると思うんですよね。
僕は「パイセンは押しが強いので、Aさんは押しに負けてしまったんじゃないか?」という推測をしています。
じゃあ、パイセンはリスクを犯してまで、なんでそんなしょーもないルール違反をしていたのか。
僕は、「パイセンが承認欲求を満たしたいが為の行動」だと考えています。
形上は「〇〇さんが楽出来る様に。」ってな感じでしょうが、「感謝されたい、重要な人物だと思われたい。」があるのだと、僕は勝手に推測しています。
パイセンがそんな動機でルール違反をしたのかどうかは知りません。
ですが、僕がイラついた理由は「しょーもない自慰行為の為に巻き込まれた。」と感じたからです。
僕の選択。
しょーもない事に巻き込まれ、しょーもない時間の浪費です。
僕は個室に呼び出され、偉いのであろう人達との面談を迎えました。
件の概要を説明された後、偉い人は僕に質問をしました。
偉い人「今回のパイセンさんのルール違反を知っていましたか?また、以前からしている事ですか?」
チッタ「YES、NO、どちらの答えにも責任が生じるので答えたくありません。」
僕は聞き取り調査に対し、「黙秘」という選択をしました。
パイセンはルール違反が日常ですし、もっとエグいルール違反も僕は何度も目にしています。
本心で言えば「YES」です。
ですが、僕の「YES」が、パイセンにとって都合の悪い影響が出る事が予測出来ます。
では、パイセンを庇う為に「NO」と答えた場合。
それは紛れもない嘘になります。
偉い人達には「責任」という言葉を使いましたが、要は「業を背負いたくない」ということです。
「YES」と答えれば「パイセンに悪い影響という業」が、「NO」と答えれば「嘘を吐いたという業」が。
どちらに転んでも、僕には不利益しか生じない状況です。
パイセンはルールを守りませんが、悪い人ではないと感じています。
どちらかと言えば、好意的に感じていました。
そんなパイセンに不都合な影響が出なくなるのであれば、「嘘ひとつくらい…。」となる人もいるでしょう。
ですが僕は、「自分を含めた誰かを庇う嘘を吐かない」と決めています。
ですので僕は、「黙秘」という選択をしました。
自分を含めた誰かを庇う嘘を吐かない。
僕は「罪悪感」というモノは、精神衛生上好ましくないと考えています。
ですので、「罪悪感が湧かない行動(生き方)」を日頃から心がけています。
「自分を含めた誰かを庇う嘘」というのは「罪悪感が湧かない行動(生き方)」のひとつです。
僕の中で、「誰かを庇うこと」自体はOKです。
(今回の件では、嘘無しではパイセンを庇えません。)
ですが、「誰かを庇う嘘を吐く」のはNGです。
「嘘」というのは、僕の中では「不正」にあたります。
「誰かを庇う嘘を吐く」という事は、辻褄を合わせる為に、更なる嘘が必要になります。
「嘘を重ねる」度に、僕の中で「不正」が積もり、いずれは「罪悪感」になります。
だから僕は「自分を含めた誰かを庇う嘘を吐かない」と決めています。
因みに、僕が「ルールは守るべき」と考えるのには「罪悪感を抱かない様にする為」という大きな理由もあります。
僕は自分がルールを破った際、自分で自分に「言い訳」をします。
「言い訳」をするということは、「罪悪感」が湧いた証拠です。
僕は罪悪感を抱えたくないのです。
「ホントお前は人情ってモンがねえな。」
「パイセン事件」の聞き取り調査はゴールデンウィーク前に行われました。
そして、連休明けのパイセンに処分が下されました。
「パイセンの工場内でのフォークリフト運行の禁止。」
パイセンは今の職場内でフォークリフトを運転することが出来なくなりました。
まぁ、妥当かなと思います。
パイセンは結構なルール違反をしたと認識されました。
ですが、「解雇!」では処分が重すぎる。
「厳重注意!」で許せば、パイセンは同じことをするでしょう。
だから「フォークリフトの運転禁止!」です。
とりあえずで元を絶った感じですね。
僕が上層部の立場であっても、同じ判断をしたと思います。
しかし、「この処分」にパイセンは酷く自尊心を傷付けられた様子でした。
明らかに不服。
不機嫌。
「辞めてやろうかな。」とまで言っていましたね。
そんなパイセンが僕に放ったのが「ホントお前は人情ってモンがねえな。」です。
なんでこんな発言をしたのか。
パイセンは処分を告げられた際、「目撃証言があった。」と言われたそうです。
今回の聞き取り調査での「細かい調査対象」は、同じ班で働いていた4人でした。
パイセンを除いた、僕、Bさん、Cさん、ゴリラの4人です。
「目撃証言があった。」という事は、「僕達4人の中にユダ(裏切り者)がいる」という訳です。
匿名性の高い聞き取り調査ですねw
そして、僕がユダ(裏切り者)であることがバレバレでしたw
オカシナ事態になったのですが、モチロン僕は「目撃証言」なんてしていません。
あくまで「黙秘」を貫いただけです。
まぁ、「YES、NO」で答えられる質問に黙秘する事自体が「不都合な事実有り」な訳ですが。
おそらく、「目撃証言があった。」とは言われていないんだと思います。
何か別の発言を、パイセンが「目撃証言」と歪めて受け取ったのだと思います。
それか、「環境安全課」がクソなのか。
どちらかにせよ、パイセンの中でユダの存在は確定した様子でした。
「ユダの存在」が確定すれば、「誰がユダなのか?」を導き出すのは容易です。
- Bさんは業を背負うくらいなら嘘を吐くタイプ。
- Cさんはコトナカレ主義。
- ゴリラはルールを守るけど、ルールを作る方が悪いと考えるタイプ。
- チッタは人の心を忘れた冷徹機械。
さぁ、誰がユダでしょうか?
僕はパイセンに「黙秘しただけです。」と答えました。
パイセンも「黙秘なのがYESだろうが。」という考えでした。
ここまででは、そこまで大きな揉めごとにはなりませんでした。
しかし、パイセンの最後の一言が僕の逆鱗に触れてしまったのです。
余談ですが、僕は「コトナカレ主義のCさん」が大好きです。
後でCさんに「聞き取り調査で何て答えました?」と聞きました。
Cさんは「NO(ルール違反は無い)」と答えたそうです。
チッタ「まぁ、嘘を吐くのが嫌じゃなきゃ、NOって答えますよね。」
Cさん「いや、別にどっちでも良かったんだよ。」
Cさん「どっちでも良かったからさ、脳内あみだくじで決めた。」
ホント大好きw
僕は「僕を自分の利得の為に支配しようとする人」が嫌い。
パイセンは僕に、色々とぶつけたいモノがあった様子です。
しかし、パイセンはルールこそ守りませんが、「まともな人間」寄りな人です。
「言いたいこと」を最小限にとどめ、最後に僕に言いました。
パイセン「もっと上手く立ち回れよ。」
…。
いけませんね、この発言は。
「この発言」は、「僕の地雷」です。
「この一言」で、僕はパイセンが一瞬で嫌いになりました。
「もっと上手く立ち回れよ。」
そこまで悪い一言ではないですね。
「そんなんじゃ敵を作るだけだぞ。」というアドバイスにも受け取れます。
要は「言葉そのもの」ではなくて、「一連の流れの末の、この発言」が、僕の逆鱗に触れた訳です。
- パイセンが問題を起こした。
- 聞き取り調査で僕は黙秘をした。
- おそらく僕の黙秘がパイセンの処分に繋がった。
- 「お前は人情ってモンがねえな。」
- 「もっと上手く立ち回れよ。」
こうまとめるとわかりやすいでしょうか?
僕は「人情がねえな。」と言われた時点では、何とも思いませんでした。
むしろ僕も「人情がない。」と思っています。
しかし、「上手く立ち回れよ。」の発言により、僕の解釈が変化します。
パイセン「俺の為の嘘くらい吐けよ。次からは上手く立ち回れ。」
僕は「こう」受け取ったんです。
僕は「僕を自分の利得の為に支配しようとする人間」が嫌いです。
何故なら、「その行動」は「僕の家族が僕にした、今でも許さないでいる部分」だからです。
「自分を支配しようとする人間」なんて人は、大多数の人が嫌う対象だと思います。
僕の場合は「スイッチ」が異常な訳です。
他にどんな良いトコロがあっても、たったひとつ「この行動」を感じただけ僕は拒絶反応を示します。
僕にとって、「この行動」は地雷であり、「緊急の異常警報」に繋がるんですね。
この一件以前の僕とパイセンは、いつもワチャワチャやってる仲の良いふたりだったと思います。
ですが、この一件以降、挨拶や業務連絡以外のやり取りは無くなりました。
パイセンが信じるモノ。
今回の揉めごとを整理する際、僕が注視したのは「僕とパイセンが信じるモノ」です。
僕は「ルールは守るべき」と信じています。
パイセンは「ルールは破るべき」と信じています。(多分)
その「信じるモノが両極端なふたり」というのは、過ごした環境が大きく離れているのだと思います。
僕が「工場」という場所で働き始めたのは、ここ10年程度の事です。
最近の工場(他の職場でもかな?)では、「安全第一!ルールを守りましょう!」が、うるさい程に言われている様に感じます。
時代の流れですね。
「コンプライアンス!コンプライアンス!!」言われ始めたのと同じです。
しかし、「工場で40年働き続けたパイセン」には、まだまだ馴染めないというか、受け入れるのが難しい価値観なのだと思います。
パイセンはよく、昔話を聞かせてくれました。
「昔は〇〇で大変だったんだぞー。」ってやつ。
鬱陶しいですね。
しかし、パイセンの昔話を聞くと、「今とは社会(?)の価値観が違った」という事を知らされます。
数十年前のパイセンは「安全なんかでメシは食えねえ!」と、そのまたパイセンや上司に教えられながら働いてきました。
昔も「安全第一!」とは言われてきたそうです。
しかし、実際は「会社の営利第一!」なのだったと。
求められるのは、常に「成果や営利」だったのです。
無理なノルマを達成するには、ルールに縛られていては不可能だったと。
会社に求められるモノをこなすには、「不正やルール違反」はやむを得ない環境だったんです。
その環境では「成果こそが正義である。」という価値観が根付いても納得出来ます。
「正義の為に、ルールを破るのもまた正義。」となったのでしょう。
完全に僕とは価値観が違います。
パイセンは今の「安全第一!ルールを守りましょう!」という時代の流れに対応出来ないのだと思います。
だから時代の流れにそぐわない行動をしては問題になりました。
パイセンは信じるモノが違う為、何が悪いのかを本当の意味で理解出来ていないのだと思います。
だから「愚直にルールを守る僕」を機械の様に感じるのでしょう。
だから「黙秘をした僕」に「それくらいの嘘を」という態度になったのでしょう。
「信じるモノが両極端」というのは、中々に難しいですね。