レビュー いいかげんに生きづらさを終わらせたい:トラウマ治療体験記

いいかげんに生きづらさを終わらせたい:トラウマ治療体験記 レビュー

僕は生きづらさを抱えながら生きてきました。

今は訳あって、僕の様に生きづらさを抱えた人達の話を聞かせて頂いています。

家庭問題、イジメ、社会に適応出来ないといった生きづらさを抱えた人達の話を聞かせて頂きました。

とてもありがたいことです。

そんな生きづらさを抱える人は、少なからず「トラウマ」を抱えている様です。

そんな生きづらさを抱えた人達に読んで欲しい一冊の[いいかげんに生きづらさを終わらせたい:トラウマ治療体験記]のレビューをしてみたいと思います。

文字通りの「生きづらさを終わらせたい!」という凄惨な叫び。

そして、ギリギリ(アウト?)な中で出会うことができたトラウマ治療。

そんな[トラウマ治療体験]を可愛らしく、時にはコミカルに、思わずゾッとするような表現で描かれた体験漫画になります。

「これは世に出るべきだ!」と感じ、もし、購入を検討されている方の参考になればと思います。

あらすじ

筆者である[三森みさ]さんは、過去の性被害の経験から「生きづらさ」という言葉では足りないような苦しみの日々を過ごします。

性被害によって植え付けられた[トラウマ]は、三森さんの文字通り全てを蝕み、限界を迎えていました。

そんな限界ギリギリ(アウト)の中で三森さんが出したのが「記憶をなんとかしたい。」という考えでした。

そして[トラウマ治療]専門機関の心理師さんと出会い、治療が始まります。

きっかけは[性被害によるトラウマ]でした。

そのトラウマ、記憶に苦しむが故に助けを求めた三森さん。

しかし、三森さんが抱える[生きづらさ]は、性被害の経験が全てではないことに気付きます。

治療を進める毎に見えてくる問題の数々。

様々なアプローチをかけては新たな問題に遭遇します。

地道な治療と新たに遭遇する問題の繰り返し。

希望と絶望が交互するような日々。

それでも少しずつ歩みを続け、三森さんは着実に回復へと向かいます。

そして最後に、三森さんは[性被害のトラウマ]に対して[答え]を出します。

過去から解放された三森さんは[ある思い]を誓います。

それは、思わず笑ってしまうような[思い]でした。

感想

「この本、世に出回るべき!」

これが読み終えた僕の率直な感想です。

この本の中に「あなたのこの問題がこういう症状を引き起こしてます。」又は「この症状の根源はあなたのこの問題ですね。」と言った話があります。

僕は生きづらさを抱えた友人(と呼ばせてもらいます)達から、その生きづらさを聞かせてもらいました。

もうね、[その人達]と症状が[ドンピシャ]なのよ!

「あの人も[この部分]を悩んでたな…。」とかじゃないの!

三森さんが抱えたトラウマによって引き起こされる[症状全て]が当てはまってるのw

これは僕も然りなわけですが。

僕は今現在、[生きづらさ]をあまり感じずにいます。

僕は自分で勝手に[それなりのこと]をしました。

その結果、たまたま僕に合っていたようで、僕は生きづらさを感じることが激減しました。

ですが、世の中「生きるのがつらい!」「死にたい!」と叫ぶ人がいます。

そして、その人達は「どうすれば、何をすれば良いのかもわからない。」と、言わば[無限地獄]の中で延々と続く一方的な苦しみの中ですすり泣いています。

そんな人達に「是非、読んで欲しい!」と思う一冊でした。

もしかすると、[その人]に合う治療法ではないのかもしれません。

三森さんは信頼できる心理師さんや心療内科の先生と出会い、力を借りることができました。

しかし[その人]が、信頼できる心理師さんや心療内科の先生と出会えるかはわかりません。

ですが、それでも[トラウマ治療]という新しい可能性を提示してくれる一冊だと思います。

 

この本の主軸となるのが[トラウマ治療]になります。

僕も単語だけなら聞いたことがありますが、「実際何をするのか?」というのはサッパリでした。

この本には三森さんが実際に体験した治療内容が細かく描いてあります(一部濁してる部分はありますが、気にならない程度です。)。

「こんなことするんだ。」と、新しい知識にワクワクしながら読んでいましたね。

[漫画]という形式を用いることによって、治療内容がわかりやすく、誤解なく伝わった印象です。

三森さんが描く[図柄]や[表現]はとても可愛らしく、時にコミカルに、時にはゾッとする様な印象を受けます。

特に印象に残ったのが[眼]の描き方。

少しネタバレになるのですが、この治療には[インナーチャイルド]が深く関わってきます。

そのインナーチャイルド達の眼は、時に胸を締め付けられるような、時には心が解されるような感覚を与えてきました。

そんでもって特に印象に残ったシーンが[インナーチャイルドと初めて向かい合うシーン]でした。

僕も似たようなことをしてたんで、その時の記憶が溢れ返りました。

少し涙が出たのはナイショだ!

僕もまたインナーチャイルド達と向き合ってきました。

その時のつらさ、ちゃんと向き合えた時の感動。

三森さんが描く[その画]は、あの頃を追体験させるような、また、僕以外の人の[あの体験]をダイレクトにぶつけてくれました。

三森さんのキッカケは[性被害によるトラウマ]でした。

正直、初めの方は「僕とは関わりがないかな…。」と思ったりしました。

ですが、これは[傷を抱えた全ての人]に通じる一冊だと感じました。

もし、「生きづらい。」だけど「何をすれば良いのかわからない。」と苦しみ悩む人がいれば、是非、読んでみることをオススメします。

マジでさぁ、カウンセリングとか保険適用した方が良いよ。

2 COMMENTS

しもけん

カウンセリングの保険適用は本当導入してほしいよね。
ただでさえ、カウンセリングにいい印象持ってなくて積極的にいく人が少ない中で、更に費用面でのハードルも高いから、最初から選択肢に入らない人ばかりだしね〜。

本読んでみます!

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titta31@

難しいのを承知で言うけど、国の税収上がると思うんだよなぁ。
働くって知識や技術も大事だけど、メンタルも凄え大事だと思うし。
もっと気楽にカウンセリング受けれる社会になれば、健康的に働ける人も増えるだろうと思う。
上の立場の人が健康的なメンタルであれば、その下で働く人が不健康なメンタルになる可能性も下がると思うし。
良いこと多いと思うのよねー。

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