僕は職場を転々として生きてきた。
職場って言っても非正規なんだけどね。
それは良いとして、僕は「現職」を辞めてから「次の職」を探すスタイルだ。
あらかじめ数ヶ月分の生活費を確保してから辞めるのであれば問題無いのだろう。
だけど、低所得の僕にはそんな資金の確保など出来るわけも無く、そこそこ大変な思いもした。
今回は僕の転職生活の話。
滑り込んだ先はやりたくない仕事
僕の職歴(アルバイト)は、「コンビニバイト」が多い。
高校時代の初バイトはセブンイレブンだった。
そこから「ミニストップ」「am/pm」と来て、また「セブンイレブン」に戻る。
「am/pm」の後に「スーパー」のバイトも挟むんだけど、「スーパー」から「セブンイレブン」に転職する間がとにかくしんどかった。
何がってそりゃあ、お金が無いのよ。
それぞれの退職理由を説明すると長くなるし、まぁ、大体「悪口」になっちゃうから端折るけど、退職は「突発的」なモノが多い。
ただでさえ低所得だし、貯蓄なんてモンは雀の涙。
20万あれば良い方だったかな?
ギリギリ2ヶ月生活出来る程度か。
新しい職場の給料だって1ヶ月先になるし、実質の転職活動リミットは1ヶ月程度なわけだ。
とっとと新しい職場を見つけなきゃならんのだけど、僕は中々動けずにいた。
まぁ、疲れ切っていたんだと思う。
僕の昔の退職理由の根本は、要する「ガス欠」だ。
勝手に頑張りすぎた「心のガス欠」
「軽い鬱状態だったのかも」と今は思う。
そんな状態でもお金は無い。
頼れる家族もいない。
色んな制度がある事も知らない。
だから求人サイトは眺める。
求人サイトを眺める事はするんだけど、「どんな職種」で「どんな条件」が良いのかを明確にしていない状態。
そんな状態は「何もしてない」のと然程変わりはなかった。
そうこうしてる内に、生活資金がヤバい事になる。
何度計算しても、翌月の支払い分しか資金が無い。
家賃や光熱費でおしまい。
食費や雑費に割くお金が無い。
元々僕はあまり出費の多い方じゃない。
どこかへ遊びに行く事はしない。
当時のメインディッシュだって「もやし」を茹でるか炒めるかしたモノだ。
これ以上切り詰めるモノが無い。
その上での状況。
「さすがにヤバい。」
と、いうわけで「近所のセブンイレブン」のバイトに応募する事にした。
正直、その時点でコンビニやスーパーで働く事に嫌気を差していた。
それでもコンビニを選んだ理由は「僕の経歴なら落とされる事はないだろう。」といった理由。
ギリギリ(アウト)の生活資金に慌てふためいて、やりたくもない仕事を選んだわけだ。
働き始めの1ヶ月はコンビニの廃棄で食い繋ぐ事が出来たので、結果オーライではあった。
だけども飲み物を買うお金が無い。
変に気を使われるのが嫌で、僕はコッソリと水道水を飲んでいた。
初めての失業保険
「近所のセブンイレブン」で働き始め、3年程度が経過した。
そして、またも「ガス欠」症状が出始めた。
前回までの「ガス欠」は、「イラつき」とか「職場への不満」だった。
それが今回、「不眠」という形で出て来た。
僕はずっとコンビニとかスーパーの「夜勤」をしてきたんだけど、本来の僕は完全に「昼型(朝型?)」なんだと思う。
前は昼間でも「騙し騙しの睡眠」を取る事が出来た。
それが「昼間の睡眠」が全く出来なくなった。
とにかく寝付きが悪い。
だけど寝ないわけにはいかない。
なんとか眠りにつこうと思えば思う程、眠りからは遠ざかる。
やっと眠りについたかと思えば「昼間特有の突発音」で目覚め、眠りにつく事がより難しくなる。
「こりゃあイカンなぁ…。」
そして僕は「寝酒」を飲む様になる。
幸い僕には「父」という「人生の教師」がいた為、早い段階で「コレはマズい状況だ。」と判断出来た。
だから僕は、コンビニバイトを辞める事にした。
そして、「失業保険」をもらう事にした。
失業保険ってのは、条件を満たした失業者にお金が給付される制度。
まぁ、わざわざ説明するまでも無いと思うんで省きます。
僕は「不眠」が始まってから、なんとか「もう半年」頑張った。
頑張った結果、「契約満了」で退職する事が出来た。
そこから90日間(だったかな?)の「失業保険生活」が始まる。
調べてみると、この日本には有益な制度が色々とある。
逆に言えば、調べなくては教えてもらえない制度だ。
失業保険なんかについては、友人に教えてもらったんだけどねw
仕事を辞め、失業保険をもらいながらの職探し。
しかし、その時も僕の心はガス欠状態だ。
昼型の生活に戻した事もあって、不眠症状は改善した。
だけど「働く意思」というよりも「働かなきゃマズイ」という恐怖心に追いかけ回され、心は疲弊していく。
そうこうしてる内に、失業保険がもらえる「90日間」というのはアッサリと間に過ぎ去った。
例の如く、僕には「やりたい職種」「欲しい条件」が明確にする事が出来なかった。
というか、「明確」に働きたくなかった。
しかし、そうも言ってられない。
働きたくはないが、働かなくては生活出来ない。
「給付期間の90日」を過ぎた僕にはお金が入る事は無い。
だけど「働くビジョン」が見えてこない。
どんどん減っていく貯蓄。
いくら電卓を叩いても、来月分の食費は無い計算だ。
「とりあえず日銭を稼ごう。」
僕は「日雇いバイト」をする事にした。
どこかの会社に定着するのではなく、「とりあえず」という騙し騙しな思惑だ。
そして、そこの「日雇いバイト先」で、僕の生活が変わる事になる。
昼間の仕事でも生活出来るじゃん
僕がコンビニやスーパーなんかで働き続けた理由は、「給料面」と「経験値」での事だ。
僕は自分のステータスに自信が無かった。
「中卒」だし、「資格」も持っていない。
当時は車の運転免許すら持っていなかった。
そんな僕が「正社員になる」なんてのはファンタジーだと思っていた。
「選択肢はアルバイトしかない。」と、勝手に自分の選択肢を消していたわけだ。
昼間のアルバイトは時給が安い。
だから深夜手当のある「夜勤」の仕事。
僕が自信を持てるのは無駄に多い「コンビニ経験」だけ。
そんな理由から「コンビニ(スーパー)の夜勤」でしか生活していく術は無いと思い込んでいた。
さてさて、そんな唯一の選択肢である「コンビニ夜勤」が潰れてしまった僕は、たまたま目に着いた「清掃業」の日雇いバイトに行った。
かなり性に合っていた。
肉体労働は苦じゃなかった。
汚れ仕事にも然程の抵抗は無かった。
お客さんとの接点もごく僅か。
日雇いで行ったバイト先は、僕にとってかなり好印象なモノだった。
どうやら僕はカラダを動かす仕事が好みらしい。
余談になるのだけど、その日雇いバイトには「服装の条件」があった。
「Gパン不可」
Gパンしか持ってねえよ。
そんな訳でUNIQLOに駆け込んだ。
しかし僕には来月の食費すら無い。
極力出費は抑えたい。
店内を見て回ると、「7部丈スラックス」が「普通のスラックス」より安い事に気付く。
「どうせ履くのは数回だろう。」
そう思い、「7部丈スラックス」を試着する。
僕の脚の長さにピッタリだった。
僕の脚は、一般人の「7部丈」らしい。
短い脚で産んでくれた母に感謝した。
話が逸れたけど、僕はその「日雇いバイト先」で日雇いではなく正式にアルバイトとして採用してもらえた。
しかしそのバイト先、少し特殊で「働ける日数」自体が少ない上に、その月によっては日数が変わる。
「そこ」1本ではさすがに生活出来る収入は稼げない。
そこで、またしても「良い話」を持ってきてくれた友人。
友人は「治験ボランティア」というモノを僕に紹介してくれた。
その話に興味があればコチラからどうぞ↓
そんなこんなで僕は、「夜勤」にこだわらなくても生活出来る事を知ったのだった。
同時に、「自分がどんな仕事なら妥協出来るのか」というモノが見えてきた。
初めての前向きな転職
「清掃業の仕事」を主軸したのだけど、生活するには収入が足りない。
治験ボランティアでまとまったお金が入る計算ではあるけど、コチラは年に3〜4回しか参加が出来ない。
そんな訳で、バイトをもう1本掛け持ちする事にした。
「立体駐車場の管理」の仕事なんだけど、このバイト先はシフトの融通を利かせてくれた。
清掃業を主軸にし、駐車場管理をサブにする。
治験参加出来る時期が来れば日程調整。
この三本柱で行く事にした。
しかしこの生活、あまり精神的に良いモノではなかった。
この中で1番お金が入るのは「治験ボランティア」なのだけど、治験の日程に合わせると「清掃業」の稼ぎが減る。
そもそも治験に受かる保証は無い。
生活資金を治験に依存していたトコロがあるので、中々に精神を削られる。
駐車場管理の方だって「最低〇〇時間は出れる様にしてね。」という感じだし、決して疎かにには出来ない。
何より、「そう」までしても僕の生活は極貧状態だった。
僕はこの生活に限界を感じ始めた。
そして、少し「金銭欲」も出て来た。
「先の事」なんて考える余裕の無かった僕にとっては良い傾向だった。
僕はまた転職活動を始める。
「職場が嫌になった」のではなく、「自分の生活をより良くしよう」という前向きな転職活動。
いつもの如く、お金は無かったけれど精神的に楽な転職活動だった。
まず、キッカケになった出来事がある。
「近所のセブンイレブン」時代のパイセンが、今やっている仕事に僕を誘ってくれたのだ。
まぁ、ダメだったんですがねw
元々割り当てられる予定だった常務から、「車のドライバー」としての業務に急遽変更されてしまったんだ。
僕は当時、車の免許は取得していた。
だけどゴリゴリのペーパードライバーである。
試用期間中に練習をさせてもらえたものの、やはり運転がヘタ過ぎて本採用にはならなかった。
それはさておき、僕はすぐに次の職探しを始める事が出来た。
「ガス欠状態」ではなかったのが大きいのだろう。
僕はその頃「自分と向き合ったり」と、生きやすい人生を送る為に色々としていた。
その成果があってか、「ガス欠による退職」ではなく、「もっと良い生活を!」という前向きな退職だった。
パイセンが持って来てくれた仕事はダメだったけど、そこから2週間で次の職場に就く事が出来た。
まぁ、バイトなんだけどね。
フルタイム週5日の仕事
僕は「正社員になんてなれない。」と思っていた他に「フルタイムで週5日なんて出来ないよぉ。」という思いがあった。
正社員になれば、週5日か6日で働き詰め。
「そんなん無理だ。」
僕自信が正社員になる事を避けていたんだ。
僕は夜勤時代、週4日でヘトヘトだった。
しかしそれは当然の事。
夜勤時代は気付かなかったけど、僕は昼型(というか朝型?)の人間だ。
仕事の日は夜型生活になるけど、休みの日は昼型生活になる。
そんな事を繰り返していては、疲れなんて取れるわけがない。
清掃業になって、生活が完全に昼型になって実感した。
「夜勤の週4日」と「日勤の週4日」では、疲弊具合が比べ物にならない。
清掃業と駐車場管理の掛け持ちで、月のシフトはバラバラだったけれど、「日勤の週5日くらいイケんじゃね?」と考えた。
そうやって就いたのは「フルタイム週5日の製造業」だった。
やはり、最初の1ヶ月はお金が無かった。
ギリギリの口座残高というのは、何度見ても精神衛生に悪い。
しかし、割と心には余裕があった。
その製造業に入る前の僕には「土日祝日」は関係無かったのだけど、週5日の土日休みってのは良いモンだという実感があった。
他にもGW、夏季休暇、年末年始の連休もあり、有給休暇なんて素敵なモノもある。
「フルタイム週5日の仕事も捨てたモンじゃないな。」
と言うか、やはり自分の特性に合った条件で働くというのは大事だと思った。
「自分の事をよく知れば、割となんとかなるモンだなぁ」と。
僕は昔、
「自分はコンビニ(スーパー)で働くしか選択肢がない。」
「自分は夜勤で働くしか選択肢が無い。」
そう考えていた。
いかに自分で選択肢を狭めていたかを実感した。
最新の転職
僕は去年、7年近く働いていた製造業を辞めた。
まぁ、いつもの「ガス欠」に近い。
だけど、今回の転職は今までで1番余裕のある転職活動だった。
最初の1ヶ月(正確には辞める前)は有給消化でゆっくり休む事が出来た。
1ヶ月もあれば余裕で心は回復し、好きな事をして過ごす余裕もあった。
そこから職探しを始めるのだけど、僕にとって都合の良い職種や条件はわかっている。
求人サイトを眺める目が、以前とは別物になっていた。
「雇用形態はなんでも良いや。」
正社員でも契約社員でもアルバイトでも。
しかし僕は、「派遣社員」というモノにあまり良い印象が無かった。
理由としては
- 雇用の不安定さ。
- 昔、派遣で行った時の苦い思い出
コレらがある。
しかし今のご時世、雇用の不安定さなんてのは契約社員でもアルバイトでも同じ。
正社員ですらも似た様なモンだろう。
昔、清掃業の派遣の前に、別の日雇い派遣に行った事があるのだけど、そりゃあ酷いモンだった。
BGMは怒号。
仕事を教えてもらいに現場の社員さんに聞きに行けば「あんたの社員(派遣会社)に聞け!!」(現場に派遣会社の社員はいない)
なんて理不尽な扱いを受けたのだけど、こんなモンは「派遣社員」に限った事じゃないだろう。
酷いトコロは雇用形態関係無しに酷い。
「苦い思い出とか関係無しに決めよう。」
単純に「職種」「条件」に焦点を当てた結果、見つけた好条件は「派遣社員」の雇用形態だった。
「あえて飛び込んでみるのも良いだろう。」
「酷かったら辞めればいい。」
そんな軽い気持ちで今の職場を選んだ。
結果としては、中々良い職場を引いたと思う。
やはり、何事も経験なんだと思う。
「職探し」も「辞める事」も「辞めた後の過ごし方」も。
僕は今まで、10回いかない程度の転職を経験した。
それが多いか少ないかはわからないけれど。
それによって、転職の不安はかなり少ない。
経験上、「このくらいの資金があればイケる(蓄えられるかは別として)。」とか。
「このくらいの期間は遊んでても大丈夫だろう。」とか。
「調べれば、何かしらの制度があるかもしれん。」という希望的観測とか。
なんとでもなるだろうと思っている。
その余裕は「今の職場」にも繋がる。
正直、今の「派遣先」の業績はあまり良ろしくない様に見える。
その内、契約を切られる可能性だって無くはない。
僕もそろそろ40代になろうというトコロだ。
決して楽観視出来る状態でもないんだけど、今のところ不安は無い。
「なんかしらの仕事は転がってるでしょ。」
そのくらいの気持ちでいる。
昔の本当にお金の無い転職活動。
10円単位で切り詰める買い物。
手元に米が何合あるのかを正確に調べ、残りの食糧を計算する生活。
不動産屋に家賃滞納をお願いする台本作り。
甘いモノ食べたくてドングリを拾いの行った肌寒い空気。
そんな経験もあるんだし、なんとでもなるっしょ。
あのツラかった転職活動は、僕を強くしてくれたんだと感じる。