ごめんなさい。少し盛りましたw
僕が10代半ばの頃。
離婚した父が北海道に帰り、僕、母、兄の3人で暮らしていた頃の話。
我が家には「包丁」が無かった。
勘のいい人なら、何故なのかわかるでしょう?
そんな話。
僕の部屋
当時の僕たちは、二階建ての一軒家に住んでいた。
僕の部屋は、居間と「室内窓」で繋がっていた。
こんなおシャンティじゃないけど、まぁ、こんな感じ。
この窓にハサミがブッ刺さってる事があった。
みんな知ってた?
ハサミって、窓ガラスに刺さるんだぜw
「貫通」ではなく「刺さる」の。
犯人はモチロン、我が家の問題児のうちのひとり。
兄だ。
「お前んチ、問題児しかいねーじゃねか!」とか言うなw
当時の我が家は、玄関を入るとすぐに居間にぶち当たる。
玄関を入ると、すぐに僕の部屋の窓が目に入るわけだ。
僕の部屋と居間を繋ぐ窓は↑の写真の様な、縦横3×3枚の合計9枚のガラスが貼られていた。
兄はその窓ガラスを「ストラックアウト」と勘違いしていたらしい。
兄は気に入らない事、機嫌が悪い時は、「投げ込み」をしては制球力を磨いていた。
- ハサミ
- 包丁
- 石炭
- テレビのリモコン
- 野球ボール
- セロハンテープの土台
- ガラス玉
- 灰皿
- 単一電池
- 布切りバサミ
僕が帰宅すると、僕の部屋の中はガラスの破片でマミレていることがあった。
「キラキラ」と輝いていてキレイだった。
そして、「コレら」が転がっている。
しかし、2回出てきた「ハサミ」だけは、必ず「刺さっていた」のをよく覚えている。
「3×3だろ?9枚以上あるじゃねーか!!嘘乙w」
と言う人。
残念。
僕の部屋の窓は、「ストラックアウト」が2枚あったのだ!!
兄が10枚目を射抜いた頃、僕は破れたガラスの処理がめんどうになり、残りの8枚を自分で割った。
ガラスはね、人に破られるよりも、あらかじめ自分で破った方が処理が楽なんだよ?
タイトルから話はソレタけど、何を言いたいのかと言うと、「兄はこういうことを平気でやる人間だ」ということだ。
包丁がない理由
理由は簡単。
危ないから母が隠したんだw
ストラックアウトなんてモンは、兄にとっては遊びみたいなモンだ。
問題なのは、兄は「人」に対しても物をブン投げる点。
事実、「兄が投げた物リスト」の3番。
石炭は僕に対して投げた物だ。
幸い、僕には当たらなかったけどね。
石炭なんて、どこのご家庭にもある物だから、みんな気を付けてね!!
父はその頃、「北海道に帰った」と言うか、殺される危険があった為に送り返した。
兄は、居間で寝ている父に平気で物をブン投げていた。
父の顔面に木製の踏み台がクリーンヒットしたこともあった。
踏み台の足は折れ、父は鼻血ダラダラ。
さすがに「我が家に死人が出る」と感じた母が、父を北海道の実家へ送り返したのだ。
兄の凶暴性を目の当たりにした母は、とりあえず「刃物」を隠した。
包丁はモチロン、ハサミなんかも。
お陰様で当時の我が家は、「果物ナイフ」で料理するハメになった。
まぁ、果物ナイフでも十分な殺傷力はあるんだけどね。
母はとりあえずでも「ナニか」しておきたかったんだろう。
隠してんだろ?
兄は「基本的に」料理をしない。
だから包丁を隠していることに中々気付かなかった様だ。
しかし、母から聞いた話しで、思わず爆笑してしまった話がある。
母がある日、兄から凄い剣幕で詰め寄られたらしい。
ニーさん「刃物隠してんだろ?俺がナニカすると思ってんのか?」
言わせんなよ(/ω\) ハジカシーw
そうだよw
わかってんじゃんwジブンデw
まぁ、ハサミも消えたらバレるわなぁw
母は「無くした。」としか言えなかったらしい。
そりゃあ、自分の子供に「ナニカすると思ってるから隠した。」とは言えないわな。
兄は母の思いに絶対気が付いていたと思う。
まさに「身から出たサビ」状態ではあるけど、兄はこの件で深く傷付いたと思う。
だって、実の母親から「この子はそんな事はしない。」と信じてもらえなかったわけだから。
兄のそれまでの行動を見ると、「信じる」方がどうかと思うけどね。
刃物を隠さなくなった結果
兄は逮捕された事がある。
母の知人に暴力を振るったんだ。
兄はその時に「布に包まれたナニカ」を取り出した。
包丁でしょうね。
母は兄とふたりで暮らす様になって、刃物を隠すことをしなくなった様だ。
理由はわからないけど、結果はこのザマだ。
母と兄の間には、「信頼」や「信用」が全く無かった様に思う。
僕がふたりに対して「信頼」や「信用」が無い様に。
兄は母に対して、直接暴力を振るったことは無い。
僕が知る限りだけど。
僕や父に対しては暴力を振るっていたけど、母に対してはナニカ特別だったんじゃないかと思う。
ニーさん「カーさんには手を出さないよ。」と言う、無言のメッセージを送り続けていたんじゃないかと、勝手に想像している。
それに対して、母の「刃物を隠す」という行為は、さぞかし兄を傷付けたのだろうと思う。
信じて欲しい人に信じてもらえない兄。
実の息子を信じ切ることが出来なかった母。
複雑な状況が絡み合って出来上がったことだけど、なんて悲しい家庭なのだろうか。
そんな事を、包丁を研ぎながら「フ」と思った。
暴力を振るう可能性がある相手を信頼する。
これがいかに難しい事か考えるまでもないが、暴力や暴言をぶつける当の本人が望んでいるのはまさにこれなんだよね。自分を棚上げして、愚行をおかしても無関係に愛してほしいんだもん。ほんと難しい問題だと思うよ。
この件とは真逆の話になるけど、とある母親が自分の息子に「あんたは絶対に悪いことなんて出来ないからなぁw」って言ってたの。
息子の方は照れ隠ししながら軽く悪態付いてたけど、「あぁ、確かにコイツ(息子)は悪いことしないだろうなぁ。」って思った。
しっかり親子でコミュニケーション取って、お互いに信頼関係を結んでる素敵な親子だなぁと。
母親はしっかりコミュニケーション取ってるから息子を信用信頼出来る。
息子は母親からの信用信頼を裏切りらない為に悪いことは出来ない。(本人はどう思ってるか知らんけどね)
俺もニーさんも、カーさんへ「信用信頼」じゃなくて「期待」しちゃってたからこじれたと思うのよね。
信用信頼されてる安心感が無いのよ。
信用信頼されてる「はず」とか信用信頼して「欲しい」って期待ばっか。
カーさんが俺によく言ってた「チッタは大丈夫だから。」も、「大丈夫であって欲しい。」「大丈夫なはず。」って期待が見え隠れしてたのを無意識に感じ取ってたんだろうなって思った。
カーさんがどう思ってたのか知らんし、俺がカーさんに信用信頼が無かったからそう感じたのか、感じ取ってしまったからカーさんに対する信用信頼が無くなったのか。
どっちにしても、期待ってのは厄介だねぇ。