ブラックジャック

ブラックジャックという、トランプを使ったカードゲームがある。

まぁ、皆さんもご存知でしょうから説明は省かせて頂きます。

このゲームは賭け事にも使われている。

あの夜、僕と兄はブラックジャックにて賭け事した。

兄のウザ絡み

僕が中学生の頃。

僕が兄に下剋上を果たした後の話だ。

両親が離婚し、母がスナックの経営をしていた為、夜は兄と2人きりだった。

その頃になると、兄からの暴力は無くなった。

代わりに、兄がメッチャウザくなっていた。

 

兄は寂しがりやのかまってちゃんだ。

しかし兄は、一般的なコミュニケーションの取り方を知らない。

とにかくかまって欲しい兄は、「ウザ絡み」をするという方法しか取れなかった。

あの夜もそうだった。

 

あの頃の僕は、邪魔されずに睡眠が取れるという当たり前の幸福をやっと手に入れた。

夜中に騒ぐ父が北海道へ帰ったおかげだ。

テレビのゴールデンタイムなんかには興味が無い。

只々、夜を寝ていたかったが為に、僕の就寝時間はかなり早かった。

 

僕が寝ていると、物凄い勢いでベッドが揺れた。

何事か!?と目を覚ますと、そこには兄がいた。

兄が狂った様に僕のベッドの上で飛び跳ねていたのだ。

 

ニーさん「チッタ!!ブラックジャックやるぞ!!」

もう、何時だよ…。

2時だよ…。勘弁してくれよ…。

チッタ「寝かせてよ…。」

ニーさん「チッタ、よく考えろ。

このまま邪魔されながら寝ようとするのと、俺が満足するまで遊ぶの。

どっちの方が早く寝れると思う?」

 

僕は深夜に兄と遊ぶ事にした。

何を賭ける?

諦めて朝まで兄に付き合う覚悟を決めた。

兄からの暴力は無くなったが、まだ僕の奴隷根性は残ったままだ。

なんだかんだで兄が怖かったのだ。

 

そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、兄はウキウキでトランプを切る。

ニーさん「じゃあ始めるぞ。モチロン賭けは有りだからな。」

嫌な予感しかしない。

ニーさん「負ける度にひとつずつ秘密を喋るのな。」

パジャマパーティーの様な提案に拍子抜けした。

 

多分兄は、「こういう事」をしたかったんだ。

友達と。

だけど、それが出来る友達がいなかったんだと思う。

だから、弟の僕と。

当時の兄の僕に対するものは、それ以前とは明らかに変化していた。

当時の僕は、そんな事を考えもしなかったが。

 

1戦目。

僕はあっさりと負けた。

うーん…秘密か…。

特に無い。

と、言うか、兄からの支配にはプライバシーなんて無い。

既に秘密らしい秘密は、全て話してある。

そこで急遽、質問形式に変更された。

 

ニーさん「好きな子は?」

乙女かお前はw

チッタ「いない。」

本当にいなかった。

当時の僕は、色恋沙汰なんぞに構ってる余裕は無かった。

お前(兄)のせいでな!!

2戦目

またしても僕の負け。

ニーさん「好きな女のタイプは?」

チッタ「特に無い。」

3戦目

ニーさん「好きな子と何したい?」

チッタ「今はとりあえず寝たい。」

 

さっきから何を聞いてんだコイツは!!

弟相手に気持ち悪い!!

なんなんだこの時間は!!

そもそもこっちはお前(兄)に聞きてえ事なんざ無えんだよ!!

ニーさん「お前、ツマンネー奴だなw」

この不毛な時間が早く過ぎて欲しいと思った。

しかし兄は、やはりいつもの兄だった。

とんでもねえ事を言い出す。

コーラック

ニーさん「なんかツマンネーから、次から負けた方がコーラック1錠な。」

やはり兄は悪魔だ。

コーラックは便秘薬だぞ!?

下剤みたいなもんだぞ!?

かなり危険な賭けを持ち出して来やがった。

それでも僕は逆らう事が出来ない。

なら、勝てば良いのだ!!

 

僕はコーラックを20錠近く飲んだ。

全敗だった。

今にして思えば、オカシイ事だらけだ。

僕のカードの引きの悪さ。

兄の異様な自信。

明らかに兄はイカサマをしていた。

 

しかし、そんな事はどうでも良い。

コーラックを大量に飲んだ事実。

こいつをどうしたもんか。

吐くと言う手段は頭に無かった。

特に体に異常は無かったし、なんとかなるだろうと考えた。

と、言うか、コーラックをナメていた。

 

兄は満足して部屋に戻って行った。

時刻は5時前。

今更寝ても起きられる自信が無かった為、僕は起きている事にした。

1時間後か2時間後か。

コーラックが猛威を振るった!!

 

ヤバイ!!メッチャお腹痛い!!

トイレに駆け込む。

うおおぉぉぉぉーーー!!!

尻から大量の水が出た。

マジでトイレから出られない!!

お腹が痛い!!

出せば水が出る。

透明な水が出るのだ!!

 

トイレに籠ってどれだけ経っただろう。

異変に気付いた兄が、トイレの外で嬉しそうに声を上げていた。

コッチはそれどころじゃない!!

もう、水すら出なくなっている。

だが、出そうとするのだ。

もう、腸には何も入っていない。

なのに体は、無い物を出そうとする。

体は必死で「無」を出し続けた。

快食快便が1番!!

その後、かなりツラかったが僕は無事だった。

コーラックは遊びで飲むもんじゃあない!!

これだけは心に刻んで欲しい。

 

今の僕は、うんこに自信がある。

毎日快便だ。

発酵食品をしょっちゅう食べるからだろうか。

便秘とは無縁の生活を送っている。

 

昨日、珍しく「葛根湯」を飲んだ。

少し体調が悪かったんだ。

普段入れない物を飲んだせいか、今朝は珍しく便が固かった。

まぁ、沢山出たけど。

やっぱり快食快便が1番だ!!

どうしてもツラい時には薬に頼るのも良いだろう。

だがしかし!!

遊びでの服用はダメ!!絶対!!

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